「白色申告と青色申告、どっちにすればいい?」は、確定申告を始める一人親方がまず直面する疑問です。この記事では、両者の違いと一人親方がどちらを選ぶべきかの判断基準をまとめます。
白色申告と青色申告の比較
| 項目 | 白色申告 | 青色申告(10万円控除) | 青色申告(65万円控除) |
|---|---|---|---|
| 事前申請 | 不要 | 必要(承認申請書を税務署に提出) | 必要(承認申請書を税務署に提出) |
| 帳簿の種類 | 簡易な収支記録 | 簡易簿記(収支日記帳等) | 複式簿記 |
| 特別控除 | なし | 10万円 | 65万円(e-Taxまたは電子帳簿保存が条件。それ以外は55万円) |
| 赤字の繰越 | 不可 | 3年間繰り越し可 | 3年間繰り越し可 |
| 家族への給与 | 原則経費にならない(ただし事業専従者控除として配偶者86万円・その他親族50万円までの定額控除は可能) | 「青色事業専従者給与」として経費化可 | 同左 |
| 帳簿の保存期間 | 7年(法定帳簿。その他の書類は5年) | 7年 | 7年 |
青色申告65万円控除がいかに有利か
所得税は「収入 − 経費 − 各種控除」に対してかかります。青色申告特別控除(65万円)は課税所得から直接差し引かれます。
例:年間の事業所得が400万円の場合
- 白色申告:課税所得400万円(他の控除は除く)
- 青色申告65万円控除:課税所得335万円
所得税率20%の区間であれば、65万円×20%=約13万円の節税効果(住民税10%と合わせると約19.5万円)があります。
青色申告に必要な手続き
青色申告を始めるには、税務署への事前申請が必要です。
| 状況 | 申請期限 |
|---|---|
| 開業1年目から青色申告したい | 開業日から2か月以内に申請 |
| 翌年分から青色申告に切り替えたい | その年の3月15日までに申請 |
提出書類:「所得税の青色申告承認申請書」(税務署窓口またはe-Taxで提出)
一人親方はどちらを選ぶべきか
青色申告(65万円控除)を選ぶべきケース
- 年間の事業収入が300万円を超えている
- 会計ソフト(freee・マネーフォワード等)を使う意欲がある
- e-Taxでの電子申告ができる環境がある
65万円の控除で年間数万〜十数万円の節税になるため、手間に見合うメリットがあります。
青色申告(10万円控除)でまず始めるケース
- 複式簿記はハードルが高いが、青色申告のメリットは享受したい
- 赤字が出た年に損失を翌年に繰り越したい
- 家族に仕事を手伝ってもらっており、給与として経費化したい
白色申告でよいケース
- 収入が少なく、控除の恩恵が小さい
- 記帳に時間をかけたくない
- 税理士に丸ごと依頼していて自分では帳簿管理しない
ただし、白色申告でも帳簿の作成・保存は義務です。「白色なら何も記録しなくていい」は誤りです。
青色申告への切り替えは早いほど有利
青色申告の特典(特別控除・損失繰越・家族給与の経費化)は、申告した年分から適用されます。切り替えを先延ばしにするほど、受けられたはずの控除を逃し続けることになります。
会計ソフトを使えば複式簿記も自動化できるため、まず「青色申告承認申請書」を提出し、会計ソフトで帳簿づけを始めることをおすすめします。
まとめ
一人親方で事業収入が一定規模以上あれば、青色申告(65万円控除)が最も節税効果が高い選択です。手続きは税務署への申請書1枚で始められます。まだ白色申告の方は、来年分から切り替えることを検討してみてください。
本記事は実務情報の提供を目的としたものです。個別の申告・税務については、税理士にご相談ください。
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